人工知能(AI)開発におすすめのプログラミング言語5つ

どの言語を学べばいい?

プログラミング言語には、向き不向きがあります。 どのような目的で利用するかによって、学ぶべき言語は異なります。

人工知能(AI)開発をする場合には、どの言語を学べばよいのでしょうか? このページでは、人工知能(AI)開発におすすめのプログラミング言語を5つ紹介します。

人工知能(AI) とは?

人工知能(AI) とは、人間から見て知能的にふるまう機能を、ソフトウェアなどで人工的に構築する技術全般を指します。機械学習は、人工知能(AI)の手法のひとつであり、収集されたデータを解析して何らかのパターンを発見することです。

また、ディープラーニングは、機械学習によって得た結果から、データに含まれる特徴を区別できるようになることです。例えば、ディープラーニングによってネコが写った写真だけを抽出することなどが可能となります。

人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニングは、概念としては以下のような関係となっています。

人工知能(AI) > 機械学習 > ディープラーニング

人工知能(AI)開発におすすめのプログラミング言語5つ

人工知能(AI)開発におすすめのプログラミング言語を5つ紹介します。それぞれの言語が、どのような特徴を持っていて、なぜ人工知能(AI)開発に向くのか、習得の難易度はどれくらいか、などについて、初心者にも分かりやすく解説します。

1. Python

人工知能や機械学習に興味はあるけれど、どの言語を選べばよいのか分からないという人なら、ひとまずPython(パイソン)の学習から始めるのがおすすめです。Pythonは、コードが簡潔で読みやすく学習しやすいため、はじめて学ぶプログラミング言語としてもおすすめできます。

Pythonは、データ分析、画像処理、機械学習に便利なライブラリが充実しており、AI開発・機械学習・データサイエンスの分野にも利用しやすい言語です。 近年のAIブームもあって、Pythonの人気は高まっています。

Python標準のライブラリだけではなく、NumPy、Scipy、TensorFlow、Chainerなどの便利な外部ライブラリも充実しています。標準、および、外部ライブラリを活用することで、数学的に難しい処理をライブラリの関数に任せて、簡潔なコードで人工知能開発やデータ解析が行えます。

2. R言語

R言語(あーるげんご)は、統計分析とグラフィックス処理に特化されたプログラミング言語です。Pythonが様々な目的に利用できる汎用言語であるのに対して、R言語は統計処理に特化されています。

R言語には、データ分析に特化した関数が用意されています。汎用言語ではコードが煩雑になってしまうような数学的なデータ処理も、R言語では関数を呼び出してシンプルに記述できます。様々な統計処理(線形モデリング、非線形モデリング、従来の統計テスト、時系列分析、分類、クラスタリング、など)に対応しており、グラフィカルな出力手段を提供しています。

R言語は、難しいデータ分析も関数を呼び出すでだけで実現できてしまいます。そのためR言語の習得自体はそれほど難しくありませんが、その反面、データの前処理などの扱いが重要であり、使いこなすには統計学の基礎知識が必要となるでしょう。

3. Julia

Julia(ジュリア)は、データ分析、機械学習、人工知能開発などに適した計算用言語として注目されています。これらの分野に適した言語としてはPythonやR言語などが知られますが、 JuliaはPythonやR言語に比べて動作が非常に速いのが特徴です。

Juliaの高速性は、LLVMによるJIT(Just In Time=実行時)コンパイルによって実現されます。LLVMとは、コンパイル時にプログラムを最適化するよう設計されたコンパイラのことです。実行時コンパイルをするJuliaは、コンパイルをしないPythonやR言語などのインタプリタ言語と比べると実行速度が格段に向上します。

Juliaからは、PythonやR言語のライブラリが利用できます。強力な機能を簡潔なコードで実現でき、実行速度が非常に高速であるため、高度な開発や専門分野での研究に採用されている言語です。

4. Haskell

Haskell (ハスケル)には、人工知能開発に向いたライブラリがあまり充実していません。また、学習コストが高いなど、初心者には手を出しづらい言語と言えるでしょう。先に紹介したPython・R言語・Juliaなどの他の言語とは、おすすめする理由が異なります。

Haskellは、関数型のプログラミング言語です。Haskell が人工知能開発に利用される理由は、バグが入りにくく、システム運営が安全に行えることです。信頼性と保守性の高い美しいシステムが構築できることなどから、一部の技術者や研究者からは大変人気があります。

Facebookの投稿をスパムかどうか自動判定して削除するシステムは、Haskellで開発されています。Haskellを採用した理由としては、柔軟で強力な型システムが利用できること、システムを停止させることなく稼働させたまま更新するホットスワップが可能なことなどが挙げられています。

Haskellには、使用者を選ぶようなところがあり「万人向けの言語ではない」と言われることがあります。数学がある程度分からないと使いこなせない面があるため、関数型言語に慣れていないプログラミング初心者には、習得が難しいかもしれません。

5. Lisp

Lisp(リスプ) は、人工知能の研究から誕生しました。Lispを考案したジョン・マッカーシー氏は、初期の人工知能研究の第一人者として知られる人物です。人工知能(Artificial Intelligence)という用語自体が、彼によって命名されたものです。

Lispは、関数型プログラミング言語のルーツとされます。1958年に開発された歴史あるプログラミング言語ですが、近年の人工知能ブームで再び脚光が集まっています。

Lispは文法構造自体を拡張でき、目的に応じてカスタマイズできます。そのため、Lisp方言と呼ばれる派生プログラミング言語が数多く誕生しています。実用性を考慮するなら、Lisp 派生言語であるCommon LispScheme、 Clojure などの言語を選択肢に入れてもよいかもしれません。

まとめ

ひとくちに人工知能(AI)開発と言っても、目的次第で最適な言語はまったく違ってきます。もし、人工知能開発がどんなものか少し触れてみたいなら、Pythonをおすすめします。 Pythonには人工知能開発に活用できる便利なライブラリが充実しています。人工知能開発以外にも様々な目的で利用できるので、学んだ知識を活かしやすいでしょう。

統計処理に特化した言語を学ぶならR言語がおすすめです。また、 動作の高速性を求めるなら Julia を学ぶのもおすすめです。本格的な運用を視野に入れて、安全性や安定性を求めるなら、関数型言語の Haskellを学んでも良いでしょう。ただし、 Haskellは学習コストの高い言語とされています。数学的な素養がないと習得に苦労するかもしれません。

人工知能の研究から誕生したLispは、1958年に開発された歴史あるプログラミング言語ですが、近年の人工知能ブームで再び脚光が集まっています。Lispは文法構造自体を拡張でき、目的に応じてカスタマイズできます。Lisp方言が多数派生しているので、それらのなかに目的に合致する言語があるか探してみても良いでしょう。