Fortranとは
Fortran(フォートラン)は、1950年代の初め頃に数学者のジョン・バッカスによって考案されたプログラミング言語です。
当時、IBMで働いていたジョン・バッカスは、1954年に社内チームを作りIBMのコンピュータで動作する高水準言語(人間の言葉に近く、人間にとって解読しやすい言語)としてFortranを開発しました。
Fortranという名称は、「FORmula TRANlation(数式の翻訳)」に由来します。数値計算を得意とするプログラミング言語であり、 特に大規模計算をする場合に他の言語と比べて処理が高速であるという特徴があります。
歴史ある言語だが、現在進行形で開発されている
Fortranは、70年近い歴史を持つプログラミング言語です。長い歴史のなかで何度か改訂が重ねられており、過去バージョンと比べると最新バージョンは、かなり仕様変更されています。
最新バージョンは Fortran 2008ですが、次期バージョンとなる予定のFortran 2018が、現在進行形で開発されています 。
Fortranの表記についてですが、旧いバージョンでは「FORTRAN」と大文字で表記していましたが、近年のバージョンでは「Fortran」と表記するようになっています。この記事では、Fortran と表記しています。
Fortranの特徴
Fortranには、以下の特徴があります。
- 数値計算を得意とする
- 科学分野、工学分野での利用が多い
- 70年近い歴史を持つプログラミング言語
- 旧いバージョンと最近のバージョンでは、かなり仕様が異なる
- 過去にFortranで開発された数学関数などのプログラム資産が蓄積されている
Fortranは、数値計算を得意としています。大規模計算でも処理が高速なので、数学的な処理の多いシミュレーション・プログラムなどに向いています。そのような特徴から、スーパーコンピュータに使われることもあります。
Fortranは、数十年の歴史を持つ言語です。過去にFortranで開発された数学関数などのプログラムが蓄積されており、それらを活用して効率よくプログラミングを行うことができます。
Fortranはこんな場面で使われている
Fortranは、昔から科学技術分野の計算に利用されています。例えば、気象学の分野における地球環境シミュレーション・プログラムや、工学分野における制御系プログラムなどでFortranが使われることがあります。
大規模計算でも処理が高速であることなどから、スーパーコンピュータに使われることもあります。
Fortranを学ぶメリット
これからプログラミング学習を始める人が、Fortranから入ることは少ないでしょう。もし、プログラマとして就職に有利になる言語を身に着けたいなら、他のプログラミング言語を学んだ方が良いかもしれません。
自然科学・数学・工学・物理などの分野で研究をするなら、Fortranを使うことが出来れば、シミュレーション計算などで役立つことがあるでしょう。