Wolfram言語とは?プログラミング言語を初心者にもわかりやすく解説

Wolfram言語とは

Wolfram言語(ウルフラム)は、1998年に登場したMathematica(マセマティカ)という数式処理システムで利用するプログラミング言語です。

最初に登場した時点では、プログラミング言語としての名称は確定しておらず、「Mathematicaの言語」とか「M」などと呼ばれていましたが、2013年になって「Wolfram言語」という名称になりました。

Wolfram言語の最新バージョンは、2019年5月にリリースされたWolfram言語12です。Wolfram言語のバージョン12は、1988年に登場したバージョン1との互換性を維持しています。

1988年、Mathematicaの登場

Mathematica(マセマティカ)は、イギリス出身の理論物理学者スティーブン・ウルフラム氏が考案した数式処理システムです。氏がアメリカで設立したウルフラム・リサーチ社のチームによって開発され、 1988年に最初のバージョンが登場しました。

ちなみに、この数式処理システムの名称を決める際、スティーブン・ウルフラム氏が名称の候補リストをスティーブ・ジョブズ氏に渡して、しばらく後に「Mathematicaにすべきだ」と言われたそうです。さらに、インターフェースなどについても、「make it simpler(もっとシンプルに) 」という提案があったそうです。

2013年、「Wolfram言語」と命名

1998年に登場したMathematica は、その後も開発が継続されてバージョンアップが重ねられていきます。そして、あらゆる種類の目的のために利用できるように、言語にも膨大な計算機能が詰め込まれていきます。

そして、2013年になって、ようやく「Wolfram言語 」という名称に決定されました。スティーブン・ウルフラム氏は、言語の名称を「1990年に」考え始めたと述べています。最終的には彼の姓であるWolframに由来する名称に落ち着きましたが、ここに至るには様々に考察すべきことがあったようです。

Wolfram言語の特徴

Wolfram言語 には、以下の特徴があります。

  • 汎用性が高い
  • 関数型と手続き型の両方をサポート
  • 約6,000個の組込み関数が含まれている
  • すべては「式」として表現される

Wolfram言語は、関数型と手続き型の両方をサポートしています。そのため、実現したいひとつの要件に対して、複数のアプローチでプログラムを記述できます。

Wolfram言語には、約6,000個の組み込み関数が含まれています。それらを組み合わせることで簡単にプログラムを作成することができます。Wolfram言語の組み込み関数は、今後も増えていくことが予想されます。

Wolfram言語 では、すべては「式」として表現されます。例えば、 数式,リスト,グラフィックスなどは、それぞれ異なるオブジェクトですが、すべて式で表すことができます。ただし、慣れないと分岐や繰り返しなどのプログラム構造を把握しづらく、コードが読みにくい面もあります。

Wolfram言語はこんな場面で使われている

Wolfram言語は汎用性が高い言語ですが、特に数学的な計算処理に強い特徴を持っています。

そのため、データサイエンス、機械学習、画像処理、音声処理、ニューラルネットワーク、ブロックチェーン操作、などに利用されることがあります。

Wolfram言語 を学ぶメリット

Wolfram言語は、多機能・高機能ですが、利用に高額な費用が掛かるという問題があります。そのため、Wolfram言語を学ぼうとしても自由に利用できる環境を得にくいかもしれません。