Tclとは
Tcl(ティクル)は、1988年にカリフォルニア大学バークレー校の教授であったジョン・オースターハウト氏によって開発されたプログラミング言語です。
Tclは、後に登場するGUI作成用ツールキットTkと組み合わせて、Tcl/Tkのセットで利用されることの多い言語です。Tclはもともと、ソフトウェアを拡張するための組み込み言語として開発されたのですが、むしろTcl/Tkとしての利用が増えたことで有名になりました。
Tclという名称は、「Tool Command Language(ツールコマンド言語)」に由来しています。また、Tkという名称は「 Tool Kit (ツールキット=道具一式)」に由来しています。
Tkの登場により人気化
1990年代初頭、Tcl言語向けのGUI作成用ツールキットTk が登場します。TclにTkを組み合わせてTcl/Tkのセットで利用することで、簡単なコードでGUIを作成できるようになります。Tcl/Tkは、GUI作成環境として人気化します。
1994年、 Tcl開発者のオースターハウト氏がサン・マイクロシステムズ社に移籍したため、同社においてTcl/Tk の開発が進められてウェブへの対応が強化されました。その後、オースターハウト氏はサン・マイクロシステムズ社を離れ、2000年以降、Tcl/Tk の開発はオープンソースで進められています。
尚、TkはもともとはTcl言語用として開発されたものでしたが、他の言語環境からも利用できます。Tkは、Perl(Perl/Tk)、Python(Tkinter)、Ruby(Ruby/Tk)などのGUI作成ツールキットとしても普及しています。
Tclの特徴
Tcl には、以下の特徴があります。
- 文字列によるシンプルな手続き型言語
- データ型は文字列のみ
- 空白(半角スペースやタブ)が区切り文字になる
- コマンドと引数は空白で区切る
- シンプルな文法で学習しやすい
Tclは、文字列によるシンプルな手続き型言語です。データ型は文字列のみであり、引数はすべて文字列です。コマンドも文字列であり、先頭に記述した文字列がコマンドとなり、そのあとに空白を入れて、そのあとに記述される文字列が引数として処理されます。
上記の通り、Tclの文法は大変シンプルです。
Tclはこんな場面で使われている
Tcl/Tkは、コードでGUIを書けるメリットがあるため、アプリケーションの開発などで利用されることがあります。
Tclを学ぶメリット
Tclは、現在も開発が続けられています。 Tclの最新バージョンは2012年に、Tcl/Tkの最新バージョンは2018年に公開されています。
現在、Tcl 利用者は、Perl、Python、Rubyなどの他の言語に比べると少なくなっていますが、Tcl (Tcl/Tk) の求人は現在も一定数あるようです。