Dylanとは?プログラミング言語を初心者にもわかりやすく解説

Dylanとは

Dylan(ディラン)は、1992~1995年の期間に、アップル社(当時はアップル・コンピュータ社)によって開発されたプログラミング言語です。

Dylanという名称は、「DYnamic LANguage(動的言語) 」に由来するとされていますが、1994年にボブ・ディラン(Bob Dylan)氏から商標侵害で訴えられています。この訴訟は法定外和解で決着がつき、アップル社は「Dylan」の商標権を獲得しました。

Dylanは、アップル社が1993年に発売したPDA(Personal Digital Assistant)のNewtonに搭載される予定でしたが、Dylanの開発が間に合いませんでした。Newtonに搭載されなかったDylanは、Macintosh用として開発されることになります。一般ユーザーによるプログラミング用となったことで、演算子を操作対象の中間に記述する中置記法に切り替えるなどの変更が加えられています。

1995年、アップル社によるDylan開発は中止されます。この判断には、サン・マイクロシステムズ社がリリースしたJavaが人気化したことも影響しているようです。アップル社が手を引いた後にも、DylanコミュニティによってDylan実装プロジェクトは続けられています。

Dylanの特徴

Dylanには、以下の特徴があります。

  • Lispの影響を受けている
  • オブジェクト指向の関数型言語
  • 開発環境と実行環境が分離されている
  • Lisp構文を捨ててAlgol風に…

Dylanは、Lispの影響を受けて開発された、オブジェクト指向の関数型言語です。Lispが持つ関数型言語としての強力さをベースに、なじみがある中置記法を採り入れられています。Dylanは強力さと読みやすさの両立を目指した言語と言えるでしょう。

Dylanは、Newtonの搭載に間に合わなかったために、Macintosh用に切り替えられました。当初はLisp構文の言語として開発されましたが、開発途中で使用目的が変更された経緯もあり、途中からLisp構文を捨ててAlgol風にするなどの変更が加えられています。

Dylanはこんな場面で使われている

Dylan実装プロジェクトは、オープンソースとして維持されています。 現在、Dylanコンパイラとしては、Gwydion DylanOpen Dylanが利用できます。また、Dylanリファレンスマニュアルが公開されています。

Dylanを学ぶメリット

これからプログラミング学習を始める人が、Dylanから入ることは少ないでしょう。もし、プログラマとして就職に有利になる言語を身に着けたいなら、他のプログラミング言語を学んだ方が良いかもしれません。