Vuexとは?Vue.jsアプリの状態管理ライブラリについて解説

Vuexとは

Vuex(ビューエックス)は、Vue.jsアプリケーションのstate(状態)を管理するためのJavaScriptライブラリです。一般的には「Vue.js + Vuex」の組み合わせで利用します。

Vue.jsだけでアプリケーションを作成すると、描画と状態管理を操作してやる必要があります。Vue.jsアプリの中で、描画だけではなく状態管理まで操作しようとすると、プログラムが複雑になってしまう場合があります。

Vue.jsとVuexを併用すると描画と状態管理を切り分けられるようになり、Vue.js側では描画だけに専念すれば良くなります。結果としてVue.jsアプリのプログラムがシンプルになります。

アプリから複雑さを取り除く

Vue.jsアプリを構成するプログラムは、アクション・状態・ビューの3つの要素に分けられます。例えば、カウントアップするプログラムの場合、カウントをインクリメントして(アクション)、そのカウンタを保持して(状態)、それを描画する(ビュー)、といった具合です。

このとき、保持されているカウンタの値(状態)を複数のコンポーネントで共有しようとすると、とたんに状態管理が複雑になります。複数のビューでカウンタの値を描画したり、異なるビューからのアクションでカウンタをインクリメントしたり…。状態に関与するコンポーネントが増えるほど、それらの整合性を確保するために管理が複雑になっていきます。

Vuexは、アプリから状態だけを抽出して管理するためのライブラリです。状態を切り分けて一箇所で管理することで、どのコンポーネントからも必要な時にアクションをおこして状態にアクセスできるようになります。結果として、プログラマはシンプルに考えることができ、多くの場合プログラムは簡潔になります。

Vuexの特徴

Vuexには、以下の特徴があります。

  • Vue.jsアプリケーションのstate(状態)を管理するためのJavaScriptライブラリ
  • 「Vue.js + Vuex」で利用されるのが一般的
  • Vue.jsとVuexを併用すると、Vue.jsアプリから状態管理を切り分けられて Vue.jsアプリの開発がシンプルになる
  • 大規模なシングルページアプリケーション(SPA)を構築する際に有効
  • Reduxなどの影響を受けている

Vuexは、Vue.jsアプリケーションのstate(状態)を管理するためのJavaScriptライブラリであり、「Vue.js + Vuex」で利用されるのが一般的です。Vue.jsとVuexを併用すると、Vue.jsアプリから状態管理を切り分けられてVue.jsアプリの開発がシンプルになります。

Vuexは、大規模なシングルページアプリケーション(SPA)を構築する際に、複数のコンポーネントから共有される状態の管理をシンプルにしてくれるので大変有効です。一方で、小規模なアプリを開発するだけなら、Vuex無しで問題ありません。小規模アプリでは、Vuexがかえってプログラムを冗長にしてしまうかもしれません。

Vuexは、Reduxなどの影響を受けています。「Vue.js + Vuex」の関係は「React + Redux」の関係と同じです。ReduxやVuexは、Facebookの提唱するFluxの「JavaScriptのデータの流れを分かりやすくする」コンセプトを引き継いで開発されたものです。

Vuexを学ぶメリット

Vue.jsは日本で人気の高いフレームワークです。Vue.js技術者の求人は増加傾向にあります。 Vue.js 開発の現場ではVuexを併用されることもあるため、求人要件にVuexが記載されることもあります。

Vuexで求人を検索すると、ウェブアプリケーションのフロントエンド開発などでの募集が確認できます。Vuexのスキル単体ということではなく、Vue.js開発ができる技術者を募集するなかで、Vuexも併用できることが望ましいという位置づけです。

Vuexのスキルが求められる職場では、 Vue.js のスキルは必須でしょう。Vue.js + Vuex以外で、使えることが望ましいスキルとしては、React、Redux、TypeScript、HTML5/CSS3/JavaScriptなどが挙げられています。

Vuex公式サイト: https://vuex.vuejs.org/ja/