Pascalとは
Pascal(パスカル)は、1970年にスイスのコンピュータ科学者ニクラウス・ヴィルト氏によって、学生のプログラミング教育を主目的に開発されたプログラミング言語です。
Pascalという名称は、「人間は考える葦である」という言葉で有名な17世紀フランスの哲学者パスカルに由来しています。
Pascalは、1980~90年代には大学におけるプログラミング教育の現場で利用されました。また、初期マッキントッシュの公式開発言語に採用されるなど、この時代にPascalは人気を博しました。
PascalとC言語
Pascalは、 ALGOLをベースにして開発された手続き型言語 です。ほぼ同時期に登場したC言語もALGOL をベースにしていますから、PascalとC言語は、言わば兄弟のような関係にあります。
現在、Pascalの利用者はあまり多くありません。時代とともに利用者が少なくなっていったPascal に対して、C言語はいまだに多くの人に利用されています。これはなぜでしょうか。
Pascalは教育用に開発された言語であり、記述に厳格さが求められ、効率や実用性を犠牲にしてしまうところがありました。それに対してC言語は、コード生成の効率が良く、自由度が高く、実用的であったため、様々な場面で利用しやすかったのです。
PascalもC言語も、現在の主流派であるオブジェクト指向言語ではありませんが、C言語にはオブジェクト指向を採り入れたC++が後継言語として登場しました。そして、C言語とC++は互換性があったことから、これらは共存共栄していきました。
一方、Pascalにオブジェクト指向を採り入れた後継言語としては、 1995年にDelphi(デルファイ)というオブジェクト指向プログラミング言語が登場しました。
Pascalの特徴
Pascalには、以下の特徴があります。
- ALGOLをベースに開発された手続き型言語 であり、 アルゴリズム(計算手順 )の記述がしやすい
- 逐次、条件分岐、繰り返しによる構造化プログラミングに適している
- すべての変数はデータ型を宣言する必要があり、データ型の種類も多い
- オブジェクト指向プログラミングではない
Pascalは、ALGOLをベースにして開発されました。
ALGOLは、典型的な手続き型言語です。 Pascal もまた手続き型言語 であり、アルゴリズム(計算手順 )の記述がしやすく、逐次、条件分岐、繰り返しによる構造化プログラミングに適しています。
Pascalはこんな場面で使われている
Pascalは、1980~90年代には大学などの教育現場で利用されましたが、現在、Pascalの利用者はあまり多くありません。
Pascalを学ぶメリット
これからプログラミング学習を始める人が、 Pascalから入ることは少ないでしょう。もし、プログラマとして就職に有利になる言語を身に着けたいなら、他のプログラミング言語を学んだ方が良いかもしれません。