APLとは?プログラミング言語を初心者にもわかりやすく解説

APLとは

APL(エーピーエル) は、1964年にカナダ人のケネス・アイバーソン氏によって開発されたプログラミング言語です。

ケネス・アイバーソン氏は、 ハーバード大学の助教授として学生に教える際、配列を数学的記法で操作する方法(アイバーソン記法 )を自身で開発しています。その後、1960年にIBMに雇用された際に、この 数学的記法をベースにしてAPLというプログラミング言語を開発しました。

APLという名称は、「A Programming Language(あるプログラミング言語)」の頭文字をとったものです。“あえて ” ひねりのない名称にしているのかもしれませんが、APLはどちらかと言えば個性的な言語と言えるでしょう。

APLの特徴

APLには、以下の特徴があります。

  • ケネス・アイバーソン氏 が開発した数学的記法(アイバーソン記法 ) がベースになっている言語であり、特に配列操作が得意
  • APL記法という特殊な記法により、計算式を簡潔に書ける
  • 記述は簡潔だが、特殊な記号を使用するため可読性が低い

ケネス・アイバーソン氏は、若いころには農業で生計を立てながら、独学で数学を勉強していた人物です。そして、数学的才能に恵まれたケネス・アイバーソン氏が、独自に開発した数学的記法をベースに開発されたのが、APLというプログラミング言語です。

APLは、配列操作を得意とする優れた言語です。APLのソースコードでは、特殊な記号を使って計算式を簡潔に書くことができます。使いこなせるのであれば、非常に生産性の高い言語であるようです。

一方で、特殊な記号を用いて非常に短く記述できることは長所ではありますが、それだけに可読性が低いという短所にもなっています。実際のところ、APLのプログラムは、慣れない人の目にはまるで暗号のように見えるでしょう。

APLはこんな場面で使われている

APLは、数学や統計処理などの分野で実力を発揮するプログラミング言語です。

APLを学ぶメリット

これからプログラミング学習を始める人が、APLから入ることは少ないでしょう。もし、プログラマとして就職に有利になる言語を身に着けたいなら、他のプログラミング言語を学んだ方が良いかもしれません。

APLは、他人が書いたプログラムが解読しづらく、多人数による開発には向きません。そのため 、職業としてプログラミングを行う場合には、APLを使って新規開発する機会は少ないでしょう。

「数式の記述に強い」「配列に強い」などの魅力を持った言語ですが、「独特な構文」「膨大な演算子」などの習得のしづらさがネックになる言語でもあります。この言語だけが持つ魅力と習得のしづらさから、メジャーな言語にはなりにくいのですが、一部には愛好者もいてイベントなども開催されています。

もし、数学や統計などの分野で研究していて、処理の強力な言語を求めているなら、APLを試してみるのも良いかもしれません。APLは、廃れてしまった過去の言語ではありません。現在もAPL愛好者の集まるイベントが開かれていますから、参加してみるのも楽しいかもしれません。