Nimとは?プログラミング言語を初心者にもわかりやすく解説

Nimとは

Nim(ニム)は、アンドレアス・ランプフ(Andreas Rumpf)氏によって開発されたプログラミング言語です。2006年に開発を開始して、2008年に最初のバージョンが公開されました。

Nimの開発を始めた2006年当時、ランプフ氏はプログラミング言語には2つの系統があると感じていました。ひとつはC言語系(C、C ++、Objective C など)、もうひとつは Pascal系(Pascal、Modula 2、Modula 3、Ada、Oberon)です。

それぞれに長所と短所がありますが、どちらの系統もLispのようなメタプログラミングを採り入れていないと感じました。また、PythonやRubyのような使いやすさと生産性向上を重視するスクリプト言語の長所を取りれていないと感じたことから、これらの要件を満たす言語の開発を目指しました。

上記のような開発の狙いもあり、Nimはさまざまな言語の長所が集められており、実用的で使い勝手の良いプログラミング言語となっています。2019年秋には、待望のバージョン1.0がリリースされ、長期互換性の保証された安定した環境で開発できる状況となっています。

Nimの特徴

Nimには、以下の特徴があります。

  • Lispのようなメタプログラミング
  • Adaのように強力で安全な型システム
  • Pythonのようなシンプルな構文
  • C言語のように高速に動作する
  • CやJavaScriptのコードに変換(コンパイル)できる
  • C言語、C++、Objective Cのライブラリを利用できる

Nimの構文は、Pythonの構文と似ています。 Pythonのようにシンプルで書きやすいのが特徴です。また、C言語のようにメモリ効率が良く、高速に動作します。

Nimコンパイラは大変優秀です。Nimで作成されたプログラムは、デフォルトでは最適化されたC言語のコードにコンパイルされます。コードが最適化されるため、実行バイナリのサイズは小さくなり、実行速度も高速になります。また、 Nimコンパイラは、C++、Objective-C、JavaScriptコードを発行できます。

Nimプログラムから、C言語、C++、Objective Cのライブラリを利用できます。

Nimはこんな場面で使われている

Nimは、様々な場面で使用できます。

C言語と同様のシステム開発が可能であり、デスクトップアプリケーション、ウェブアプリケーション、カーネル、ウェブサーバ、ゲーム開発などに利用されます。

Nimコンパイラは、C++、Objective-C、JavaScriptコードを発行 できるので、iOSおよびAndroid向けのアプリケーションも作成できます。

Nimを学ぶメリット

Nimは、使い勝手の良さと高速性を兼ね備えた言語です。Nim経験者が、Nimの素晴らしさを語るのを見かけることがありますが、その魅力にはまる人も多いようです。

現時点でのNim利用者は 、C言語やPythonなどと比べると多いとは言えません。そのため、Nimを学ぼうと思った場合、ドキュメントの少なさがネックになるかもしれません。

まだNimの書籍は少ないですが、インターネット上のNim情報は徐々に増えているので、こうした状況は少しずつ改善されていくでしょう。